本場ドイツのソーセージも素晴らしかったのですが、今回の放浪旅行における最大の感動の1つはデュッセルドルフ(Dusseldorf)で食べたラーメンでした。訪ねたラーメン屋は「麺処 匠 - TAKUMI -」。デュッセルドルフ中央駅から徒歩5分程の場所、デュッセルドルフ日本総領事館の道路を挟んで反対側近くにあります。
デュッセルドルフは日本企業のヨーロッパ拠点が多く置かれていることで有名です。人口60万人弱のこの町に日本人5,000人が住むとのこと。この通りなど、日本の居酒屋の前を日本のサラリーマンが闊歩する、まるで新橋界隈のようではありませんか!このような背景から、欧州随一の日本食が食べられることで知られています。
さて、匠に入って内装に驚かされました。ドイツ語よりも圧倒的に日本が多く目に飛び込んできます。目隠しされて日本から連れて来られるようなことがもしあったりしたら、うっかりすると日本だと勘違いしそうです。ここまで「日本」な店は海外でそうそう見掛けません。
ラーメンは塩、醤油、味噌、つけ麺と選べます。今回はその中から1番人気という味噌。挽肉をニンニク、生姜、ごま油と炒めることによって旨みを引き出しているという特製味噌ラーメンにしました。これが実に美味しかったのです。まず麺は札幌の老舗製麺会社として全国的に有名な西山製麺。匠はこれをはるばるドイツまで空輸しているとのこと。西山製麺の特徴である黄色がかった中太ちぢれ麺がスープによく絡み、シコシコとした食感と共に楽しめました。スープは鶏がら、豚骨をベースに、しっかりとしながらもやさしい味わいの味噌味。これにチャーシュー、シャキシャキのもやし、メンマ、ネギがトッピングされます。とても上手にまとめられた一杯でした。日本で食べるさながらの本格的札幌味噌ラーメンで、あっという間にスープまで飲み干し完食。海外とは思えない高クオリティでした。海外生活が長くまともなラーメンにあまりあり付けていないことから評価が甘めになっているであろうことを差し引いても、匠は東京で出店されていたとしても問題ないレベルであるように思います。
サイドオーダーで注文した餃子は、まあ、良くもなく、悪くもなくといった印象です。
ところで、食後にカウンター内にいたご主人に「ロンドンでも店を出して下さい」と話し掛けてみました。このブログでも何度も触れている通りロンドンはラーメンの大不毛地帯。この水準の店があればどれだけ嬉しいことかと思ったのです。僕は知らなかったのですが、既に日本人がよく利用するロンドン郊外の「バッキンガムシャー・ゴルフ・クラブ(The Buckinghamshire Golf Club)」内の食堂には既に空輸している西山製麺は提供していて、どうやらその他にロンドン市内での出店も検討していないでもないとのことです。このラーメン店が進出したら、ロンドンのラーメン界には革命が起こることでしょう。イギリ一大ス似非ラーメンチェーン「wagamama」など駆逐されてしまうことでしょう。1日も早くそのようになることを願ってやみません。
何はともあれ、お気に入りの店になりました。また近くに寄ることがあれば、必ず再訪したいと思います。
麺処 匠
★★★★
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